みどりの隣人
今日も水やり忘れた
窓辺のプランター
背を向けるように立ってる
君が抱えてきた
みどりの隣人
同じ生活をひとり
静かに ぽつり
待つ猫でいたかった
棘が生えている
わたしの背中
味のしない夜を超えて
君のいない布団に潜る
ぐるぐる
頭ではわかっているのさ
とっくに 花は枯れていた
不規則に並ぶスパンコール
物憂げに光る
ゆっくり沈んでいく
この街は今日も
不幸を笑う
身体を渦巻くアルコール
帰りは歩こう
わざと踵を鳴らして
ここにいるよって
信号を送ろう
音のしない夜は泣いて
君といたい布団に潜る
ぐるぐる
頭ではわかっていたのさ
とっくに うたは終わっていた
とっくに 君と分かれていた